教員の一人が、就業時間外にSNS上で当校の上司や同僚に対する不満を、イニシャルトーク(ただし、自分の名前はフルネームで登録しています)で書き立てていることが発覚しました。このSNSを読んだ何人かの保護者からは、度々苦情や問い合わせが来ている状況です。学校としてはどのように対応すべきでしょうか。場合によっては懲戒処分も検討したいです
SNSやブログ等に書き込まれる情報は、口頭や書面上のものと比較しても容易に拡散されてしまう性質があり、学校にとってはその信用や名誉を害される事態になることは言うまでもありません。また、発信された内容を鵜呑みにした保護者からのクレームや問い合わせ等が重なれば、学校運営に多大な支障をきたすこととなります。本件の場合、書き込みがイニシャルを用いていたとしても、投稿者の氏名と合わせれば関係者には登場人物が容易に特定しうると思われるため、やはり学校としては速やかな対応が必要です。
まず大前提として、「インターネット、SNS等を用いて学校や他の従業員の名誉、信用を傷つける行為をしてはならない」趣旨の決まりを、服務規律として明確化し、職員に周知しておくことが必要です。
その上で、上記質問の行為をおこなった職員に対しては、服務規律違反を理由として、直接注意指導することになります。その際は、口頭による注意とは別に、業務命令書など書面を残しておいた方がよいでしょう。それでも改善されない場合には、懲戒処分を検討することとなりますが、就業時間外の私生活上の表現行為である以上、懲戒事由に該当するか否か、処分内容が相当であるかについて慎重な検討が必要となるでしょう。
なお、仮に就業時間内の書き込みであった場合には、労働契約上の職務専念義務違反の問題となり、懲戒処分のハードルは相対的に低くなるといえます。