友人が傷害罪で逮捕され、約20日間の勾留後に起訴されたと聞きました。被害者はその友人と同じ職場の人で、示談に応じる意思もあった様ですが、友人に対して示談交渉をアドバイスしてくれる人がいなかった様です。起訴されてからでも、示談を進めることは可能なのでしょうか。
起訴されてからでも、被害者との示談を進めることは可能です。
ただし、示談というのは事の性質上、基本的に「罪を認めている」ことが前提となるため、接見にてご本人から事情を伺った上での判断にはなります(仮に無実を訴えておられる場合には、弁護活動の方向性が全然異なってきますので)。
ご本人が被疑事実を認めている場合、示談や被害弁償が出来たかどうかは、判決(量刑)の重要な資料となります。したがって、被害者の方が示談に応じる意思があるということであれば、裁判が進んでしまう前に早めに弁護士を通じて示談交渉に着手すべきでしょう。
ちなみに、被害者の方が当初示談を拒絶していた場合であっても、簡単に諦めるべきではありません。時の経過、その後の状況の変化によって被害感情がどう変動してゆくか分かりませんし、一度拒否されたからといって何も動こうとしないのは、「被害弁償の努力を怠った」として却って裁判官の心証を悪くする可能性があります(検察官はこの点を、被告人反対質問で徹底的に突いてきます)。
なお、仮に起訴前の勾留段階で被害者との示談を成立させることができた場合には、不起訴(起訴猶予)処分で事件が終了し、釈放された可能性もあります。示談交渉の機を逸することのないよう、逮捕・勾留された場合にはとにかく早めに、弁護士に刑事弁護活動を委任するのが望ましいです。